かんな

 家具づくりでは多くの道具を必要とします。その中でもとりわけ「鉋」には、思い入れやこだわりを持つ木工家が多いようです。私の場合は道具が好きなので、一時期は給料の大半をつぎ込み、買い集めていました。
 道具をたくさん持つことに抵抗感のある方もいるでしょうが、実益を兼ねた趣味だと思って見ていただきたいと思います。
 それではまず仕上げ用の派手目の鉋から、





 3本目までは古道具屋で見つけたもので、刃にお坊さんや虎や龍が彫ってあるのが見えます。これらは仕事では使っていません。銘は「天仙寿」です。最後の鉋が仕事で使っている刃渡り70ミリほどの鉋です。通称スンパチガンナと呼ばれています。銘は「も作」です。
 このお坊さん絵の横には、人間万事塞翁が馬という格言が彫ってあり、裏には、「一に天才 二に努力」とシャレの利いた彫があります。(右の刃)



 鉋は木の台が平らでなくては使い物になりません。そんな時、この鉋で台を修正します。修正したい台に対し直角に、横ズリします。つまり鉋に鉋をかけるのです。買ったばかりの鉋にもこの作業は必要です。その作業のことを、鉋を仕込むなどと言います。



 そのほかにも様々な用途の鉋があります。奥はいろいろな形の面取りに使う、面取り鉋。手前は槍鉋です。木の台つきの鉋が発明されるまでは、この槍鉋が使われていました。現在はもっぱら、木の肌に彫り跡をつけるのに使われることが多いようです。



 これは際取鉋とかヒフクラ鉋と呼ばれ、狭い場所のキワ削りに使います。



 この長い台の鉋は、刃渡りが左から9ミリ、24ミリ、30ミリあり、刃先には横方向にアールがついています。台の長さは300ミリぐらいあります。台が細いので、私は狭い場所の仕上げに使っています。



 と、道具の中でも色々と種類の多い鉋ですが、はまると奥が深くキリがありません。趣味の様に買い続けた鉋もこの機会に数えてみると80本ぐらいありました。絶対に一生かけても使いきれません。ただの道楽です。
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