「手作り」とか「手仕事」

 木工房のHPを見ると、「手作り」とか「手仕事」という言葉をよく目にすると思います。私達の工房でも使っていますが、この言葉について少し説明しないと、業界以外の人には分かりにくいのではないかと感じ、私なりの考えを書きたいと思います。

 木工は陶芸などと違い、多くの大型機械が使われています。ではなぜ手作りと言っているのでしょうか。

 それは例えば、四角い板の一辺を曲線にするとします。四角い板の厚み、幅、長さは機械でそろえ、その後の曲線や面取りは電動工具で加工します。この後からが手仕事です。電動工具で加工された曲線や面は木肌が荒れているため、すべて鉋(カンナ)や小刀で仕上げられます。また電動工具で取った面も機械ゆえの均一さがあるので、だんだんと面を大きくしたい時などは手作業で行っていきます。下の写真が、このときに使われる道具の数々です。



 そして板の平面を仕上げるためには、一般的に大きめの寸八(スンパチ)鉋と呼ばれる、刃渡り7センチほどの鉋が使われます。なるべく薄い鉋クズを出すように心がけ、逆目(毛羽立った部分)を取りながら、板を平滑にしていきます。テーブルの天板は特に神経を使う作業です。しかしこうして丁寧に仕上げないと、後の漆塗りの作業でムラが出たりします。省くことのできない工程と言えます。



 こうして仕上げた板は、機械だけのものより明らかに艶があります。鉋がけを行う大型機械もありますが、ダイニングテーブルの天板ぐらい大きなものはやはり手作業で行います。そして下の写真が、鉋のかけ終わりになり、艶が増した状態です。(樹種はタモです。)



 家具はこのように仕上げられた板や棒を、直線や曲線で組合すことで出来ています。つまり最終的に全体のデザインを決定付けるものは、「手仕事」で行われるのです。何となく手作りの家具に体温を感じるのは、こういうところからかも知れません。このようなことから私達の工房でも「手作り」や「手仕事」という言葉を使っています。
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