気になる石橋 −大分県日出町、赤松橋−
 別府へ行く道の途中、国道10号線を走っているといつも目にする石橋があります。なぜこのことを書こうと思ったかというと、病院の待ち時間にふと目にした一冊の本に、この橋が写真入りでコメントと共に載っていたからです。前々から通るたびに、変な場所にやけに立派で美しい石橋があるなと思っていたのですが、いつもその場限りで忘れてしまい、あえて調べることは無かったのです。その本によるとこの石橋は明治期に造られ、日本古来の石工の技と欧風デザインの融合した素晴らしい石橋である、というようなことが書いてありました。

 家に帰りもう少し詳しくこの橋のことが知りたくなりネットで調べると、同じ様にかなりの人が気になっていたらしく、沢山のページが出てきました。それらのページの幾つかから要点をまとめると、あばれ川と呼ばれた八坂川に、流されることの無い橋を架けようと計画が上がり、都留茂一という人が工事を請け負いました。しかし途中、紆余曲折があり予算を大幅にオーバーし、終いには私財を投入して明治30年に完成させたという事です。かなりの情熱と執念がこの橋を生んだようです。(詳しくは、こちらへ

 今回、この橋を見ていつも感じていた、機能的で美しく、人を魅了するものはどうしたら作れるのだろうか、という疑問が少しだけ解消された気がします。つまりそれは、この橋が作り手の情熱の賜物であり、その結果美しい姿になり、人々はそれらを感じとり橋を愛し続けたのではないだろうかと思えてきたからです。低品質の工業製品から受ける無表情な冷たさは、この部分が欠けているために起こる当然の結果なのかもしれません。この橋は、そういった作り手の気概やものづくりの姿勢というものを、変わらぬ姿で教えてくれているようにも思えてきます。そしてまた、人々が私の家具を見て、この様に思ってくれるだろうかと自問し続け、すでにあるイイモノと比べ恥ずかしくない無いようにやって行かなければ、と思った日でもありました。

(逆に、見習うべき高品質で愛着の持てる工業製品も沢山あるので、誤解の無いようにお願いします。)(2004.10)

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