まず材料を準備します。今回は、ベーコン用に豚バラ肉1.2キロ、チーズ、ナッツを用意しました。肉は鮮度の良いものを、チーズは切れていない、さらに溶けないものを、ナッツはお好みで適当に。(ここでは、バターピーとアーモンド、カシューナッツを混ぜています。)ざるは100円ショップで色々な大きさのものがあり、これに入れて燻煙をかけます。
 これはスモーカーと呼ばれるもので、この中に入れて下から燻していきます。これは一斗缶やオイル缶などでも代用できますが、中に食材を入れるのでなるべく新品か、食品の入っていたものが安全だと思います。市販のダンボール製の安価なスモーカーもあり、それでも充分だと思います。煙もかなりの熱を持っているので温度計は必需です。うちでは、天ぷら鍋に付いていたものを使っています。
 左がスモークウッドで、右はスモークチップです。種類はナラ、ブナ、サクラ、クルミ、リンゴ、ヒッコリー等があり、アウトドアショップやホームセンターなどで500円ぐらいで買えます。左のスモークウッドは適当な大きさに切って直接火をつけて使います。温度管理がしやすく、チーズやナッツなど温度の低い冷燻に向いています。チップは金属の皿やアルミホイルに一握りのせ、七輪やガスコンロにかけます。不完全燃焼させないと煙が出ないので、燃やさないよう火力を調節して使います。また樹種によって煙の匂いが違うため好みの物を探すのも楽しいと思います。木工家の皆さんは幾らでもチップがあると思いますので、ぜひ一度試してみて下さい。今回はサクラを使いました。
 2時間ほど燻煙をかけたチーズ。見事に化けてくれました。2時間というのは煙の量や味の好みで変わります。スモークウッドは火をつけてほったらかしでいいので、手軽にできてお勧めです。一度やってみると、高いお金を出してスモークチーズを買うのが馬鹿らしくなるほど簡単です。
 同時にナッツも燻製にしました。これも1ランク上の味を楽しめます。スモーカーの中に隙間があればいろんな食材を燻製すると一味違う味になります。干物やタコ、シシャモ、イカなど意外に美味しく作れます。煙の匂いだけを楽しみたいのであれば、ガスレンジの上で使うタイプのフタ付きの魚焼き器でもできます。(中華ナベでもOKです。)まず、魚を焼き、焼き上がり直前に大さじ1,2杯のチップを中に入れ、フタをして煙が出なくなるまで弱火にかけます。そして待つこと数分で、香ばしい魚の出来上がりとなります。あまりチップを入れすぎると、エグ味が強く美味しくありません。前に、アジの干物や鮭の切り身でこれをやると、とても美味しくできました。
 これは肉の漬け汁で、ピックル液と言います。中身は、水、塩、黒砂糖、醤油を弱火で煮込み、冷ましたものです。それに、玉ねぎとニンニクを薄くスライスして入れ、黒コショウやオールスパイスなどの香辛料を好みで加えます。間違えても味見しようと思わないで下さい。初めての時味見して、その塩っぽさに慌ててうがいした思い出があります。
 肉に塩をすり込み冷蔵庫で一晩寝かした後ピックル液に漬け込み、さらに一週間寝かします。毎日ひっくり返して、均等に下味が付くようにします。毎朝、肉の無事を確認し、いい味に育てよ、などと思いながらの一週間は結構楽しくもあります。ここで、手間を考えると買ったほうが安いとは決して思ってはいけません。手間をかけて作った物は仕上がりが違います。ある意味木工にも通じますが、出来上がるまでのプロセスをどれくらい楽しんでいたかが出来を左右します。遊び心が大切です。チーズやナッツの様に、ベーコンはすぐには出来ないので、完成は次回になります。(2004.10)
煙のちから−その1−
 妻の出産や家事、育児に追われ、仕事が遅れているにもかかわらず、開き直って燻製作りをしてしまいました。
 これから先は燻製の知識が無いと読んでも面白く無いかもしれないので、基本的な事だけ説明しておきます。

 まず燻製は、文明の利器が無い時代から続く食料保存方法であり、煙で燻すことにより殺菌、乾燥ができます。また香ばしい匂いも同時に楽しめます。スモークする箱の中の温度によって、冷燻、温燻、熱燻があり素材によって使い分けます。この辺の詳しいことは、他のサイトで見ることができますので、興味のある方は検索して下さい。そして手順ですが、
1、素材の下ごしらえ 2、塩づけ 3、塩抜き 4、乾燥 5、燻煙かけ 6、仕上げの乾燥となります。
 手間は掛かりますが、この様に作った燻製の味は絶品で、安物のチーズが見事に化けてしまいます。ベーコンなどは、精肉コーナーのちょとしか入っていない高級品にもひけをとらないと、秘かに自負しています。
 
 それでは、写真と共に順を追って説明します。

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