お気に入りのモノ達−暖房器具編−
 そろそろ朝晩の冷え込みも厳しくなってきたので、今回は、ストーブをお見せしたいと思います。

 ところで、前は私もそうでしたが意外に多くの人が、九州は暖かい地域と思っているのではないでしょうか。確かに以前住んでいた宮崎は暖かったのですが、今住んでいる大分県北部の山間部は、結構寒いのです。以前は分かりませんが、私達家族が住み始めてからここでは、毎年冬には雪が降っています。それも結構しっかりと積もり、車を出せなくなるぐらいの積雪が年に数回あります。生まれ育った神奈川県はかなり温暖だったと、近頃切に感じます。我が家でも11月から早々にストーブを使っています。

 とはいえ、宮崎の前の飛騨高山に比べればナンと言う事も無く、この文を雪国の人が読んだら、やや怒り気味に、「何だ、その程度か。」と思われることでしょう。私も高山時代は、冬の早朝、けたたましい音で雪かきをする機械にタタキ起こされ、道には根雪もあるため、常に車にチェーンを巻いて過ごした経験があります。ひどく寒い日は、−15度ぐらいまで下がっていた記憶もあります。でも、はっきり言って−10度ぐらいを超えたら、−10度だろうが−15度だろうがあまり変わらず、両方とも寒いの一言で片付けられていました。

 しかし、離れてしまえばそんなことは記憶の片隅にしかないので、とにかく寒いものは寒い、と話を進めてまいります。

アラジン、ブルーフレーム
 これはある意味、定番かもしれません。発売以来、デザインの大きな変更も無く、今日に至っています。木工界に入る前にやっていたアルバイトで、お客さんがこれを、「好きに処分してください。」と言うので頂きました。ですから、12年モノぐらいでしょうか。2年に一度、芯交換しながら、6畳用として使っています。対流式なので、部屋全体がムラ無く温まります。

 全体のフォルムの美しさと、機能に忠実なしっかりとした作りは、見習うべきものがあります。そして、青い火にも思わず見とれてしまいます。また、この色もやさしくて気に入っています。この様につくれば、淘汰されずに愛され続けるモノになることが明白です。が、それがモノづくりの一番難しいところなのかもしれません。

 本体は以前、東急ハンズで売っているのを見かけました。ネットでも買えるようです。また、メンテナンスパーツは今でも入手可能です。しかし、今のはPL法の関係からか、ヤケドをしないために胴回りに囲いが付いています。このフォルムを乱す囲いは、撤去可能のようです。(ヤケドには気をつけて下さい。)

瑞東産業、マサル号
 マサル号というのは私が勝手にそう呼んでいる訳ではなく、本当にそういう品名なのです。これ一つで10坪強の工房を暖めてくれます。そのパワーは近くに木を置こうものなら、強烈な熱で表面をバキバキに割ってくれます。

 このタイプの薪ストーブの定番と言えば、ダルマストーブだと思いますが、あえてこれを選びました。理由はこのスタイルにあります。ダルマのようなくびれが無い、むしろ張っている胴はかなりの薪が入ります。これは工房で使っているため、チョコチョコと薪を足す必要の無いマサルは良き相棒です。

 一歩間違えると、ダサい領域に踏み込みそうなこのスタイルは、ストーブの「用」に徹した潔さを感じます。蒸気機関車のような力強さも感じるのは、私だけでしょうか。しかし大量に薪が入るために、うっかり吸気口を開け忘れると、激しい不完全燃焼を起こし、そこで扉を開けようものなら火を噴きます。以前二度程これをやり、映画のバックドラフトのように、顔面めがけて火を噴いて、眉毛を焦がしました。そんなに熱くはないのですが、一瞬炎に包まれるのはかなりの恐怖で、直後は、何が起きたのか理解できず、放心してしまいました。

 このストーブは、現在入手可能か定かではありません。これは在庫品だったのですが、同梱していたパンフレットは、明らかに20〜30年前のものと思われる雰囲気を醸し出していました。

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 やはり私は、暖房器具は火の見える物が好きです。ゆらめく炎を眺めていると、気持ちも落ち着き、穏やかな時が流れます。なかなか都会では味わえない豊かな時間の一つであり、こんな時にも「田舎の暮らしもまんざらでもないな。」と思います。これを読んでいる街の人も、休みの日にキャンプでもして、気の会う仲間や家族と、のんびり焚き火でも囲んでみて下さい。あったかいです。(2004.11)